お客様インタビュー Vol.02 「バンクシー、草間彌生、アンディ・ウォーホル——アートに囲まれた空間づくり」S様
お店にアートを飾ると、空間に加え、お客様の受ける印象にも変化が生まれます。
今回お話を伺ったのは、下北沢「art RéG café(アートレッグカフェ)」に数多くの作品を迎え入れてきたS様。
ご自身の「好きかどうか」という感覚を大切にしながら、アートのある空間を育ててきました。
作品を選ぶ基準や、アートがあることで起きた変化、そしてAmalgam Art Galleryとの関係についてお話を伺いました。
——まず、お店にアートを飾ろうと思ったきっかけを教えてください。

S様(以下、敬称略):自分の家に飾るというよりは、「お店にたくさんアートがあった方が気持ちいいかな」っていうのがきっかけですね。
梅原:気づいたら壁が作品でいっぱいになっていましたよね。
S:そういえば、20年くらい前に雑誌のインタビューで「こういう(アートのある)お店を作りたい」って話していたらしいんです。
自分では忘れていたのだけど、最近になって「あの記事でそういうこと言ってたよね」って知人に言われて「え、そうなんだ」って(笑)。
言われてみれば、確かにそういうこと言った気がするな、みたいな。
梅原:結果的に、夢を叶えた形になりましたね。
S:そこまで大袈裟なものではないですが(笑)。
——作品選びで大切にしている観点はありますか?

S:「好きかどうか」、それに尽きます。
好みというと単純に聞こえるかもしれませんが、まずはそこですね。最近は「お店に似合うかどうか」も意識して考えるようになりました。
梅原:確かに統一感がありますよね。ストリート系、ポップ、キャラクター系、そこに草間彌生さんの作品もあって。全体としてまとまっています。
——お二人はどのようなきっかけで出会われたのでしょうか。

梅原:出会いはご紹介がきっかけでした。最初にご提案したのはバンクシーでした。当時まだマンションギャラリーの時期で、作品を見に来ていただいたんです。
S:初めてお会いした時から音楽の話とか、いろいろ世間話してましたね。今もそうだけど(笑)。
梅原:初めてバンクシーを提案した時、2点お見せしたのですが、Sさんは「どちらか」ではなく「どちらも」とおっしゃって。驚きましたよ。
S:片方を見たらもう片方がよく見えて・・・というのを繰り返してたら、迷っちゃって。結果的に両方購入しました。
——Amalgam Art Galleryとして、提案時に意識していることはありますか?

梅原:Sさんもおっしゃってましたが、ご本人が好きそうなものを考えることですね。
今飾られている作品から逆算して、「ここに置くならこのサイズ」「こういう方向性のほうが好みかもしれない」といったことを想像します。
たとえば、王道ど真ん中よりも、少しひねりのあるものがお好きかな、など。
S:草間彌生さんの黄色のカボチャは持っていないとかね。もちろん良い作品というのはわかります。自分の中では少しありふれている感覚があって。
緑や赤、青は持っていますが、作品との出会いはやはりタイミングですね。
梅原さんが探してきてくれた、アンディ・ウォーホルの《Albert Einstein》1980年も気に入ってます。アートでありながら「商業デザインの教科書」のように感じられるところがいい。
自分はデザインも仕事にしているので、そうした視点が響くのかもしれませんね。
梅原:あの作品いいですよね。本当に出てこないんですよ。
Sさんに購入いただいて以降、オークションでもほとんど見かけません。
S:サイン入りだしね。これぞという作品を見つけてくれるのは梅原さんのすごいところです。
——Amalgam Art Galleryを信頼しているポイントは?

S:提案が実にマッチしている。私の「いいな、好きだな」という感覚を大切にしてくれているな、と感じます。
あと、欲しい作品があるときに相談すると、積極的に動いてくれます。「本物を持ってきてくれる」っていうのも、当たり前だけど大事なことですね。
梅原:そこは本気で取り組んでいます。
S:他所で見つけた作品についても「これ何とかならない?」って相談すると、間に入ってくれるのもありがたいですね。自分で動くよりスムーズなので、いつも梅原さんに相談しています。
梅原:ありがとうございます。最近「Amalgam Art Concierge」として、これまでおこなってきたご提案や作品探しを、あらためてサービスとして形にしようとしていて。
Sさんのように、作品について気軽にご相談いただける体制を整えているところです。
——お店にアートが増えて、実際に変わったことはありますか?

S: アート好きな女性のお客様が増えましたね。「草間彌生の作品がある席がいい」「バンクシーのある席がいい」といったお問い合わせもよくあります。
梅原:美術館のように、作品を見にお店を訪れていただけるんですね。
S:「今日はこの席、次に来る時はこの席にしようかな」と、飲食店としてご利用いただきながら、作品も楽しんでくださっているのが嬉しいですね。
——最後に、このインタビューを読んでいる方へメッセージをお願いします。
S:やはり大切なのは「好きかどうか」だと思っています。作品を飾ることで空間の空気が変わり、お客様の動きにも変化が生まれます。
お店でもご自宅でも、アートを置くことは面白い体験になるのではないでしょうか。
最後に
今回の対談で印象的だったのは、S様が「自分の感性に響くかどうか」という基準を大切にされていることでした。
作品と過ごす時間を楽しみに来店されるお客様がいる。その光景は、アートがこのお店の雰囲気や佇まいを自然に形づくっていることを教えてくれます。
好きだと思えるものを選び、飾る。型にとらわれない姿勢が、S様のお店ならではの心地よい空間を生み出しています。